リーキーガットの病毒論
気血津液の汚れ
気血津液から性質的に観ると特に血・津液への汚染が疑われる。
腸管漏れという病気の性質からいい腸から漏れた毒が血や津液を汚すと考えられるからだ。
とはいえ、毒が全身を巡るということなので気血津液全て汚すとも考えられるだろう。
毒の循環経路を考えると、まず考察すべきは三焦の循環路を疑うべきだろう。
三焦について
三焦は全身の水分代謝や流通を司る所であるとされています。
三焦というのは他の五臓六腑に対し形がなくイメージしずらい物であるので、今までなかなか扱いづらい臓腑でしたが、鍼灸の大家である澤田健先生は三焦を乳糜管とし、リンパや脂の経路としてほぼ全ての人に左陽池、中カンを施灸されていた。
澤田健先生が日本にて開業されたのは1922年、アメリカからの輸入小麦が増加し日本での小麦需要が高まった頃とも一致する。
ここも無関係ではないだろう。
ちょうどリーキーガットと乳糜管との関わりも機能的に一致するように思える。
三焦と花粉症
花粉症についての個人的な考察として土用に脾胃から他の臓器にエネルギーが分配されるというが、その分配経路が三焦であり、その三焦に炎症などで詰まりが生じ花粉症の症状が出るのではないか?と考えていた。
花粉症の標の治療というよりも本の治療として耳ツボの内分泌、腹部の滑肉門を自分は取穴することが多い。
実際になかなかの効果を発揮するのだが、こういった治療的な背景があるのではないか?と自分は考えていたが、今回リーキーガットについて考察し、もっと奥の本としては、リーキーガットが潜んでいたのでは?と考察した。
自分はアレルギー性鼻炎で長く患っていたので、鼻炎の人の苦しさがこういった研究が進み、緩和されることを願うばかりだ。
リーキーガットと孔最
自分の師匠である高橋秀則先生がリーキーガットのツボとして孔最を勧めてくれた。
確かに、砂糖や小麦(特にパスタなんか食べた後)孔最のあたりの皮膚感覚、皮膚を摘んだ時の感覚の変化や施灸後の腹部の変化などがみられ、効果を実感する。
ツボから逆算的に考察するに、手の太陰肺経は手の陽明大腸経とも表裏関係で連絡し、かつ直接的に腸を絡する関係にあたります。
さらには孔最は痔の名穴であり、足の太陽膀胱経とも子午流注としても連絡する関係にあります。
直腸付近を絡する経絡でもあります。
一見呼吸器系のツボである孔最ですが、深く考えれば腸との関係性が見えてきます。
実際の治療部位
実際の治療となると自分は孔最を第一選択のツボとして取穴します。
自分でも食事後とツボの相関性はかなり感じたので、まずこのツボをセルフケアとしてもおすすめします。
他には左陽池、中脘といった澤田流のツボや免疫力を高める足三里、合谷を取穴することが多いです。
いずれにしても、なかなか新しく出てきた毒に対する研究はさまざまな分野から進めていくべきだと思います。